石油ストーブはしんが摩耗すると不完全燃焼になります。不完全燃焼になると黒い煙がでたり臭いがかなりきつくなり、最終的にはまともに使用することが出来なくなってしまいます。このようなトラブルを解決するためには、しんを新品に交換するしかありません。
今回紹介する石油ストーブは年式は分かりませんが50年くらい前のSANYOの石油ストーブです。替えしんは自宅にあったトヨトミさんのNo,32の替えしんを使いました。サイズがあっていれば使用できました。
記事の目次
昭和のSANYO石油ストーブのしんを替える方法
しんを替える手順
SANYO石油ストーブ
しん交換の手順はこんな感じです
-
本体のカバーを外す
-
しんを取外す
-
しんを交換する
-
しんとホルダーを取付ける
-
掃除して点火確認
1から4までの手順で交換を行い、その後、逆の手順でカバーを取付けて試運転を行いました。
因みにですが、灯油は満タンの状態で作業をおこないましたが、作業中に灯油が漏れるなどのトラブルはありませんでした。ただ、引火の危険はあるので、周囲の火気には十分に注意しました。
本体のカバーを外す
まず初めに本体カバーの「天板」と「覆板」を取外します。
ねじは全てプラスねじなのでプラスドライバー1本で作業できます。
本体のカバーを外す
天板はねじ2か所で取り外せます
覆板はねじ4か所で取り外せます。腹板の下側のねじは前板を開けた中にあります。
ねじをとったら、「天板は上に持ち上げる」「覆板は正面に引き出す」ようにすれば取外すことが出来ます。
次に、しんの案内筒の周りについているゴミの受け皿を取外します。固定のねじは蝶ねじなので手で緩めることが出来ます。
ポイント
蝶ねじ2か所を手で緩めて受け皿を取外す
カバー関係の取外し完了です
このような状態になれば芯交換がやり易くなりますよね。
しんを取外す
カバー関係の取外しが出来たら、しんを取り出していきます。
まずはしんの案内筒の固定ボルトを取外します。ボルトは蝶ねじなので手で緩めることができます。
注意ポイントとしては、点火用の給油ひもが案内筒につながっているので千切ることがないように注意します。今回はひもはつながったままの状態で案内筒を横に置いて作業を進めました。
しん案内筒の取外し
蝶ねじを取外します
しん案内筒を持ち上げながら取外します。点火の給油ひもがつながっているので千切らないように注意です。
次に、しんとホルダーを外していきます。ここが今回の作業のなかで一番面倒な作業です。
しん調整つまみとしんのホルダーがつながっている部分はギアのかみ合わせになっているのですが、このギアのかみ合わせを外さないとしんとホルダーをバラスことが出来ません。
やり方の順番は次の通りです。①ギアのクリップをラジオペンチでつまんで引っ張って外す ⇒ ②しん調整つまみを回して芯を一番上まで出す ⇒ ③しん調整つまみを手前(自分側)に引っ張ってギアのかみ合わせを外す ⇒ ④しん調整つまみを引っ張ったままホルダーを上に引き抜く
ギアのクリップ
ギアのクリップを外せばギアのかみ合せを外せます
クリップはラジオペンチで簡単に外せます
クリップを外してギアのかみ合いをはずしたら、しんとホルダーを上に引っ張ります。
刺さっている(ハマっている)だけなので、上に引き抜けば外れてきます。
しんとホルダーを上に持ち上げる
しんとホルダーを上に引き抜く
しんとホルダーが外れました。中の灯油のタンクにモノを落とさないように注意です。
ここまでくれば、次はメインのしんの交換作業です。
しんを交換する
しんはホルダーの内側にあるトゲトゲに刺さっているだけなので、簡単に取外せます。
しんを取外す
しんを外して新品と並べてみた
しんをホルダーから外す
摩耗したしんが外れたら新品のしんを取付けていきます。
因みにですが、今回交換した新品のしんは自宅にストックしてあったモノで、純正品ではありません。
新品のしん
-
TOYOTOMI NO,32
サイズは同じなので使用できますが、注意ポイントがあります。
TOYOTOMIのしんにはホルダーに取付ける位置の線が無いので、取外したしんと並べて位置を決めておく必要があります。
位置が合っていないと、しん調整つまみを回してもしんが一番上まで上がってこない、、、なんてことになります。しんの位置は上すぎても、下すぎてもダメだと思うので、ホルダーに取付ける位置は慎重に決めました。
新品のしんを取付ける
しんを並べてホルダーの位置を確認しておきます
新品のしんをホルダーに取付けます
しんとホルダーを取付ける
しんの交換が出来たら、本体に組付けていきます
しんは乾いているので滑りが悪く、入れにくいです。無理やり入れるとしんが千切れてしまうので、手でシワを伸ばすように、少し入れる⇒遅れている部分を入れる⇒少し入れる⇒遅れている部分を入れる、、、を繰返して入れてました。
しんを入れる
少しずつ手でシワを伸ばすように入れます
しんがある程度入ったら、ギアの位置を合わせます。ギアの位置とホルダーの位置がズレていても、ホルダーを回転させれば合わせられます。
ギアはバラしたときの逆手順で組付ければOKです。調整つまみを引っ張ってホルダーを入れてギアの位置を合わせる。そして調整つまみを緩めてギアをかみ合わせてからクリップを取付けで完了です。
ギアのかみ合わせとクリップ
ギアの位置を合わせてクリップを取付けます
ここまでできれば、取外したときの逆の手順でカバー関係を取付ければ作業完了です。
掃除して点火確認
最終確認として点火確認をしますが、その前に、あまりにも汚れていたのでエアーブローと拭き掃除をしました。
本来はばらしているときにおこなった方が良いですが、夢中になってすっかり忘れていました。
掃除して試運転
火の具合は良さそうです。交換前は黒い煙が出て不完全燃焼してました。
火の具合は問題なさそうです。不完全燃焼することなく燃えています。
これでまた使用できますね。
ポイントまとめ
それでは、石油ストーブのしんの交換について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- しんはメーカー問わずサイズが同じなら使える
- ギアのかみ合わせはクリップを外して調査つまみを引っ張ると外れます
- しんとホルダーの位置は付いていたしんの位置を参考にして決める
- 最後は点火の確認をすること
以上4つのポイントです。
*石油ストーブの替えしんの購入はこちらから
関連記事:【日々の作業】
以上です。