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【ガレージ建設】

擁壁がある中古物件を買ってはいけない理由【鉄筋が入っていない手抜き工事】

 

今回は「擁壁がある中古物件を買ってはいけない理由」についての記事です。

先日、購入した時からあった土地の擁壁にフェンスを建てる工事をしようとしたのですが、残念ながら工事中止になってしまいました。原因は、擁壁に鉄筋が入っておらず強度の保証ができないのでフェンスを建てられないってことでした。

そこで今回の記事では私が実際に経験した鉄筋が入っていない擁壁についてまとめるとともに、もしこれから擁壁付きの物件を購入しようとしている方には参考になればと思います。

 

擁壁がある中古物件を買ってはいけない理由

メッシュフェンスから目隠しフェンスにする

私はガレージを建てるために土地を購入たのですが、この土地は長らく空き地で周囲はコンクリートの擁壁(土が流出しないための壁)があり、擁壁の上にはメッシュフェンスが立っていました。

このままの状態でガレージを建てるのが一番安上がりだったのですが、メッシュフェンスがどうも気に入らなかったのでガレージを建てる前に元々ついているメッシュフェンスを目隠しフェンスに取り換えることにしました。

 

参考

詳しくは下記の記事でフェンスの取り換え決定に至るまでを詳しく説明しています。

YKKの目隠しフェンスを見積りして業者を選ぶ【施工業者2社で現場打合せから見積り】

 

フェンスの施工方法は、もともとのメッシュフェンスを撤去後に、擁壁の上にアンカーと鉄筋でコンクリートブロック2段追加して目隠しフェンスを建てる方法だったのですが、施工業者さんにはこんなことを言われていました。

 

施工業者さんに言われたこと

  • 擁壁の強度が分からないので、フェンスの保証は付けられない

 

 

見積りの特記事項にも書いてありましたが【フェンスの保証2年】と【工事の施工の保証10年】は対象外になると言うことでした。

確かに、自分たちが施工したわけでない擁壁に取付けることでどうなるのか?なんてメーカーが保証するわけないですよね。でも、施工業者さんは「保証できないですが、施工できますよ」って感じだったので、私もそれほど心配することはありませんでした。

 

擁壁に鉄筋が入っていなかった

いざフェンスの工事がスタートしてみると、開始早々とんでもないことが発覚してしまいました。

 

とんでもないことが発覚した!

  • 擁壁に鉄筋が入っていなかった

 

擁壁に鉄筋が入っていないと、何が問題なのか?

  • 擁壁に強度がないのでフェンスが建てられない

 

当初の計画通り、土地と道路との出入口の変更によって擁壁の一部を解体することとなっていたので、さっそく擁壁を壊してもらったのですが鉄筋が全く入っていなかったのです。

施工業者さんは鉄筋が全く入っていないので、危なすぎてフェンスは建てられません、、、、ってことで工事が中断してしまったのです。

 

*壊した擁壁に鉄筋がなかった

 

中途半端な状態で工事を中止にすることもできないし、業者さんはフェンスを購入してしまっているので、フェンスの施工方法を大幅に変更して工事を進めるしかありませんでした。

 

予算の都合で2つのやり方を使い分けました

  • 擁壁を撤去してブロック積みで新たに擁壁を作りフェンスを建てる部分
  • 擁壁の内側に独立基礎でブロックを積み、フェンスを建てる部分

 

本来は全ての擁壁を撤去してやり直したいところなのですが、残念ながら予算の都合で「撤去してやり直すところ」と「撤去せずに擁壁の内側にフェンスを建てるところ」の2つの方法は場所によってやり方を変えて工事をするしかありませんでした。本音で言えば、擁壁の内側にフェンスを建てると使える土地の面積が狭くなるので嫌だったんですが、財力てきに無理でした。悔やまれます。

因みに金額で言いますと、約100万円の追加費用でした。

 

さて、ここまでの経緯をまとめますと、こんなことが言えます

  • 擁壁がある中古物件を買ってはいけない

 

これは少し言い過ぎかもしれませんが、でも私のように「泥沼」に陥ってしまうことは実際にある訳で、初めから擁壁をやり直すつもりで土地を購入するのなら問題ないのですが、私のように想定していなければ満足できるフェンスを施工することが出来ないわけです。

もっと言えば、強度が無い擁壁が崩れて隣接する住宅に迷惑が掛かってしまうこともあるかもしれませんし、やっぱり擁壁がある土地を購入するのはあまりお勧めはできないし、購入するなら擁壁をやり直す予算を考えておかなければいけませんね。

 

擁壁の種類を調べてみた

鉄筋が入っていなかったL型擁壁

私の土地にあった擁壁はコレでした

  • 現場打ちのL型擁壁

 

*掘り返すとこんな感じになっていました。

 

施工業者さん曰く「このタイプは鉄筋が入っていないとダメ」ってことでした。

この擁壁が土地の3方向と土地の出入口付近の一部に施工したあったのですが、せっかくここまでの規模を工事したのに「なぜ鉄筋が入っていないのか」疑問でした。何十年も前のことなので結局のところ原因はわかりませんが、予算の都合で鉄筋なしを分かっていながら施工したのか、それとも業者がが勝手に手抜きしたのか、のどちらでしょうね。

 

*コア抜き施工のフェンスの柱部分はクラックが入っている

 

この擁壁にもともとあったメッシュフェンスは「コア抜き施工」だったのですが、その部分は縦にクラック(ひび)が下まで入っていたので、その原因は鉄筋が入っていなかったからと言えそうです。

土地を買ったときから気になっていたのですが、もっと早くに調べておくべきでした。

 

擁壁の工法とブロック積み

擁壁の種類について調べてみたところ、多くの工法があることが分かりました。

 

出典:国土交通省 中部地方整備局

擁壁の形式一覧

 

この中でも、一番上に記載の「重力式擁壁」は鉄筋不要の工法で無筋コンクリートです。そのため、基礎として使うことのできない擁壁です。私の土地にあった擁壁はおそらく「片持ばり式擁壁のL型」と思われますが、こちらは本来「鉄筋コンクリート」でなければならない擁壁です。どちらにせよ、擁壁単体の強度的がOKでもフェンスや基礎として使用する場合には、「鉄筋コンクリート」でなければ耐えることが出来ずに崩壊してしまいます。

いろいろ調べてみた結果、中古で購入した土地の擁壁が鉄筋コンクリートなのか?無鉄筋コンクリートなのか?どう考えても見た目では分からないです。となるとやっぱり擁壁ありの土地の購入は避けた方がいいですし、もし購入するのであれば金属探知機で鉄筋が入っているか調査したほうがイイです。

 

出典:全国建築コンクリートブロック工業会 ブロック塀大辞典

6-基礎

基礎は、鉄筋コンクリート造または型枠ブロック造布基礎とします。基礎の大きさは、せい(D)を40cm以上、幅(b)をブロック厚さ以上です。根入れ深さ(Df)は35cm以上としますが塀の高さが1.2m以上になるときは高さに応じて深くします。基礎は、地表面より必ず5cm以上立ち上げてください。

 

と言うことで、今回問題となった無鉄筋のL型擁壁の一部は撤去して、ブロック積みの擁壁にフェンスを建てるやり方で施工することになりました。

上記の資料にあるように、ブロック積みの擁壁は鉄筋を入れるのが絶対で、基礎は「I形基礎」「逆T形基礎」「L形基礎」の3種類があるようです。

現在工事がストップしているので、どの工法で施工するかは決定していませんが鉄筋を入れて正しい工法でフェンスを建てれば安心です。

 

擁壁がある中古物件のポイントのまとめ

それでは、擁壁がある中古物件について重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • 鉄筋が入っていない擁壁は強度がないのでフェンスが建てられない
  • 擁壁がある中古物件は擁壁の強度が分からないので、買わない方が良い
  • やり直すつもりで擁壁ありの中古物件を購入するのはOK
  • 金属探知機で鉄筋のあり、なし、を調査することが出来る

 

以上4つのポイントです。参考にしてください。

 

*コンクリートの鉄筋を検知する金属探知機の購入はこちらから

 

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以上です。

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