DIYで作業をしていると、塗装じゃなくて「めっきができたらいいなー」って思ったことありませんか?
めっきってめっき屋さんじゃなできないし、どうやって頼めばいいのか分からないし、少数で頼むと高かったりします。
「自分でめっきできたら、、、、、」
こんなことを思って、ネット検索してみると「サンポールを使用すればDIYでめっきできる」って情報が、めちゃくちゃありました。
ということで、実際にやってみることにしました。
記事の目次
サンポールを使用してDIYでめっきする方法
サンポールめっきで準備するもの
サンポールめっきに必要なモノはコレです。
-
サンポール(めっき液に使用)
-
電源(3V~5V、乾電池でもOK)
-
樹脂のケース(タッパーなど)
-
マジックリン(部品の脱脂に使用)
-
めっきの材料(銅、亜鉛、ニッケルなど)
-
クリップや針金(部品やめっきの材料をぶら下げるため)
サンポールめっきで準備するもの

こんな感じで、ホームセンターで調達したのですが、、、、ちょっと問題がありました。
問題
-
めっきの材料は、銅、亜鉛、ニッケルがある
-
でも、ホームセンターには銅しか売っていなかった
銅を使用すれば「銅めっき」、亜鉛を使用すれば「亜鉛めっき」、ニッケルを使用すれば「ニッケルめっき」、、、となるのですが、銅以外は一般的に入手できないみたいです。
価格差は
(安い)亜鉛 < 銅 < ニッケル(高い)
って感じなので、本当は亜鉛板が売っていれば良かったのですが、、、、
今回はあきらめて、銅めっきです。
次回は、ネットショッピングで亜鉛を購入しときます(笑)
めっきの電源について
めっきの電源は、ネット検索とchatGPTで調べたところ、低電圧の「3V」がベストらしい。
どうやら、電圧が高いとめっきの反応速度が速いが、仕上がりの表面がザラザラになり汚くなるそうです。
ということで、今回は3Vにしようと思いますが、検索してみると乾電池を3V電源にしている人が多いみたいです。
ですが、乾電池では安定した電源供給が難しいのでは?と思い、電源ユニット作ってみました。
めっきの電源

3Vの電源ユニット
-
パワーサプライ(オムロンのS8FS-G01512C)
入力(AC100V~200V)を出力(DC12V、1.3A)に変換する機器、3600円くらい
- DC-DCコンバーター(無名の安いやつ)
入力(DC5V~35V)を出力(DC1.3V~35V)に変圧する機器、1000円くらい
実は、パワーサプライは以前に作ったので、持っていました。
車イジリするので、何かを確認するときに12V電源が必要になることがあるからです。
なので、その12Vを3Vに変圧する「DC-DCコンバーター」を今回購入しました。
めっきの電源

DC-DCコンバーターの入れ物を3Dプリンターで作って、配線を作って、電源投入して、電圧をボリューム調整して、テスターで測定して、完成です
以前作ったパワーサプライ
DIYめっきをする方法
めっきだけじゃなく、塗装もそうですが、やっぱり正しい方法じゃないと失敗する可能性があるので、めっきの手順を調べてみました。
出典:三和めっき工業株式会社 電気亜鉛めっきの工程
めっき屋さんでは、おおよそ上記のフローでめっきするようです。
ただ、DIYめっきなので、100%真似することができないので、DIYでもできる手順を上記の情報を元に考えてみました。
DIYめっきの手順
-
部品をマジックリン(アルカリ性)で脱脂
-
水洗い
-
部品をサンポール(酸性)で酸洗い
-
水洗い
-
めっき処理
-
水洗い(めっき液を洗い流さないと、あとで錆びます)
-
乾燥
-
磨く
-
完成
めっきの下準備について、掘り下げておきます、、、
脱脂するために、アルカリ性のマジックリンを使用します。
アルカリ性は油脂を化学的に分解できるので、脱脂にはアルカリ性が適しています。
酸洗いは、部品の表面を溶かして、めっきの下地を作るために必要です。
今回は酸性のサンポールを水で薄めた液体(1:3くらい)で処理します。
こんな感じです。
あとは、処理ごとの水洗いを忘れずに行いましょう。
実際にめっきしてみた
部品をマジックリン(アルカリ性)で脱脂
めっきするために、一番初めにおこなうことは脱脂です。
2分くらい脱脂しました。
マジックリンでゴシゴシします

ここで注意です!
写真では素手でやってますが、皆さんはマネしないようにしてくださいね。
アルカリ性の液体は、皮膚を溶かす(ヌルヌルする)ので、手が痛くなります。
作業中に気が付いて、途中でニトリルのゴム手袋をしたのですが、写真を撮った時は素手でした、、、、
部品をサンポール(酸性)で酸洗い
脱脂したら水洗いして、次は酸洗いです。
この作業も危険なので、ゴム手袋着用で作業をします。場合によってはゴーグルもした方が良いです。
サンポールで酸洗いする

サンポールの原液を水で薄めて、部品を10分くらい漬けました。
その後、水洗いをして、めっき前の下準備は完了です。
めっき処理
めっき処理をするために、めっき液を作ります。
タッパーにサンポールと水を入れて作ります。
割合は「サンポール:水=1:4」です
めっき液

次に、めっきの材料と部品の準備です。
今回は、めっきの材料に銅ワッシャーを使用するのですが、電源を接続しにくい形状をしているので、ニッパーで切断し伸ばしました。
部品は、タップ穴にボルトを入れて番線でぶら下げることにしました。電源は番線に直接つなぎます。
材料と部品

ここまでくれば、後はめっきするだけです。
めっき処理
めっき処理中は、30分ごとに部品の向きを変えてみました。
電気の流れやすい所に、めっきがのりやすいので、向きを変えることで均一な膜厚になるようにしたわけです。
その時に、めっきの乗り具合をチェックして、結果的に2時間でOKにしました。
初めは1時間で良いかもって思ったのですが、引き揚げてみると膜が薄い部分があったんですよね。
この点は、やりながら判断するしなないと思われます。
磨く
2時間めっきした状態です。
銅めっきした部品

表面には銅の膜ができているのですが、見た目が汚かったので、メタルコンパウンドで磨いてみたら、、、、
良い感じにピカピカになりました。
で、思ったのですが、
磨いてみると、膜厚が均一にのっているのですが、薄い感じがします。
2時間以上やれば膜厚が厚くなるのか?
そもそも、電圧、めっき液の濃度、温度が原因なのか、、、
この点は、何度もやってみないと分かんないですね。
次回やるときは、条件を変えてみようと思います。
ポイントまとめ
それでは、サンポールを使用してDIYでめっきする方法について重要なポイントをまとめておきます。
ポイント
- サンポールでDIYのめっきができる
- めっきの材料は、銅、亜鉛、ニッケルがあるが、銅以外はホムセンで売っていない
- めっきの電源はDC-DCコンバーターを使用すると、安定した電源供給ができる
- めっき後はメタルコンパウンドで磨くとピカピカになります
以上4つのポイントです。
*パワーサプライ(AC100V⇒12V)の購入はこちらから
*DC-DCコンバーターの購入はこちらから
*めっきの材料の亜鉛の購入はこちらから
*めっきの材料のニッケルの購入はこちらから
関連記事:【日々の作業】
以上です。
