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【日々の作業】

S2000のミッションブロー【フレッチングが発生しケース破損】

 

S2000のミッションがブローしました。

分解したところ、ベアリングのアウターレースに異常がありました。

 

S2000のミッションブロー

シフトダウンでブローした

先日、鈴鹿サーキットを走行していたら、ミッションブローしてしまいました。

ホームストレートを6速で走行していて、1コーナーへアプローチするためにシフトダウンをしたところ、ギア抜けが発生し、もう一度入れようとしても入りませんでした。

おそらく、シフトダウンする前か、シフトダウンしたときにブローしたと思います。

 

ミッションの損傷を観察する

車を積車で持ち帰り、どのような状態なのか?リフトで上げて確認してみました。

 

リフトで上げた結果

  • ミッションケースが全周に渡り割れていた

 

一般的にミッションブローと言えば、ギアが破損することですが、ミッションケースが割れるなんてただ事ではないし、ミッションケースが再使用できないのはショックでした。

 

ミッションケースの割れ具合

ミッションケースのき裂

ミッションケースのき裂

 

オイルを抜いてみる

ミッションオイルを抜いてみましたが、オイルとドレンボルトに鉄粉や破片が見えけられませんでした。通常ならばギアが破損すると鉄粉や破片が必ず混入するはずなのですが、、、

何が起きているのか、、、疑問ばかり。どうしても気になりミッションを降ろす前にファイバースコープでドレン口から覗いてみました。すると、やはり?ギアの破損は一切見受けられなかったのです。

 

ミッションオイルを抜いてみた

ミッションのドレンボルト

ドレンボルト

 

内部の破損 ファイナル

さっそく、ミッションを降ろして中身を確認することにしました。

ケースが割れていたのはセカンダリーファイナルギア(ミッションファイナルギア)の部分でした。

 

そして、ある異変にに気が付きました。

  • ベアリングのアウターレースに「焼けた鱗模様」がある

 

セカンダリーファイナルギアのベアリングのアウターレースに「焼けた鱗模様」が点在していました。

このような異常は初めてですが、このベアリングが何かしらの影響を受けた?与えた?のは間違いないと思われました。

 

セカンドファイナルギア周辺に異常

セカンドファイナルギア周辺に異常

ベアリングのアウターレースに「焼けた鱗模様」

セカンドファイナルギア周辺に異常

S2000のミッションのベアリングの異常

 

異常があったベアリングのケース側を観察しますと、アウターレースのはめ合い部分の肌が荒れていることが確認できます。

ベアリングのはめ合いに異常が起きていたのかもしれませんね。

 

セカンドファイナルギア周辺に異常

セカンドファイナルギア周辺に異常

セカンドファイナルギア周辺に異常

 

内部の破損 ギア

ミッションケースをバラしてギアも確認しました。

ご覧の通り、破損は見受けられずミッションケースを降ろす前に予測していた通りギアのブローではない事が確定しました。

 

ギアの破損

ギアの破損

ギアの破損

ギアの破損

 

予測される破損原因

ベアリング損傷の原因を探る

ミッションを分解して分かったことは、セカンダリーファイナルギアのベアリングのアウターレースに異常があるが、ギアには異常が見受けられない、でした。

と言うことで、ベアリングの「焼けた鱗模様」が何を意味するのか調べてみました。

 

ベアリングの「焼けた鱗模様」は何なのか?

  • ベアリングの異常で発生する「フレッチング」に酷似している

 

ベアリングメーカーのNTNさん、JTEKTさんのベアリングの異常に関する情報によると、「フレッチング」と言う現象が酷似しているようです。

 

出典:NTN フレッチング・はめあいさびの原因と主な対策

現象:触面が赤さび色の摩耗粉を出して摩耗し、くぼみを作る。

(中略)

原因:振動、軸のたわみ、取付誤差、しめしろ不足。

(中略)

対策:しめしろの見直し

ベアリングのフレッチングの写真NTN

 

出典:JTEKT ベアリングの故障(その2) ベアリングの損傷とその原因・対策(前編)

ベアリングのフレッチングの写真JTEKT

 

フレッチングが発生すると、ケースが割れてしまうほどの破壊現象が起きるようです。

 

引用抜粋:Wikipedia フレッティング

(中略)

疲労:フレッティングにおける疲労は、フレッティング疲労(fretting fatigue)と呼ばれる。微小往復滑りに加えて繰返し荷重が同時に作用することで発生する[1]。平滑材の疲労限度よりも非常に小さい応力でも疲労破壊に至るのが特徴である

 

以上の情報から、今回のミッションブローの経緯を推測すると、、

  1. ミッションケースのどこかの部分に亀裂が発生
  2. ベアリングのアウターレースのはめ合いのしめしろが不足になる
  3. アウターレースの一部で微小な滑り振動が発生=フレッティングの発生
  4. ミッションケース破損

 

あくまでも推測でしかありませんが、こんな感じではないでしょうか。

原因を突き止められたわけではないですが、これからはミッションに優しいシフトワークを心がけて、オイル交換も怠らないようにしていきたいと思います。

 

中古のミッションに載せ替え

ミッションブローとなった以上、このままでは前に進みませんので一先ず中古ミッション(ヤフオク35.000円)をオイルシールだけ交換して載せました。

中古ミッションで走行してみると、街乗りでは全く正常だがサーキット走行すると5速が入りずらく「ガリ」となります。どうやらオーバーホールが必要なようです。

 

中古ミッション

中古ミッション

 

ポイントまとめ

それでは、S2000のミッションブローについて重要なポイントをまとめておきます。

 

ポイント

  • ベアリングの異常でミッションケースが割れてブローすることがある
  • ミッションを分解するときは、ギアだけでなく、全ての部品を観察すること
  • ミッションに優しいシフトワークとこまめなオイル交換をしましょう

 

以上3つのポイントです。

 

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以上です。

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