S2000のフロントロアアームが折れる事例は多くあり、アーム類は消耗品とされているため、溶接で補強し強化してみました。
S2000のロアアームは折れやすい
S2000のアーム類は消耗品とされていて、特にフロントロアアームは折れるリスクがあります。
S2000のフロントロアアーム
S2000のアームは鋳物なのですが、鋳物のままでは精度が出ていないので、ブッシュとボールジョイントの取り付け部分は機械加工がされています。
この機械加工がされている部分の加工の段差からクラックが入り折れやすいのです。
折れる部分
折れる事例はかなりあり、タイムアタックやサーキットを頻繁に走行されている方達は定期的に新品に交換しているようです。
引用抜粋:TYPEONE blog 「どうしたら折れないの?」
S2000フロントロアアームの破損事例
もし、高速走行中に折れたらどうなってしまうでしょうか?考えただけで恐ろしいですね。
折れ対策の選択
S2000フロントロアアームは折れやすいのですが、それではその対策にはどういった方法があるでしょうか?
対策方法をまとめてみましょう。
フロントロアアームの折れ対策は大きく分けて「純正品を強化」「専用設計品」「新品に交換する」の3つです。
対策内容 | 左右セットの価格 | |
ストラダーレ | ドライカーボンで部分強化 | 154,000円 |
オートガレージM | 補強材溶接で部分強化 | 143,000円 |
イケヤフォーミュラ | 専用設計(純正強化品ではない) | 150,000円 |
新品交換 | 対策せずに1年~3年周期で交換する | 50,000円 |
溶接補強 | ワンオフで溶接の肉盛り&クラック対策 | 時価 |
*2020年の価格
各社からラインナップされていますが、「折れる」という割に対策品を売っているショップが少ないとの印象を受けました。
また、純正が50,000円に対して強化品が150,000円前後と言う価格もハードルが高い印象です。ちなみに、純正以外の選択肢であるイケヤフォーミュラのロアアームですが、問い合わせたところ「ロット生産(受注生産)のため販売停止中。50台分の注文から製造可能」だそうです(2020年7月)
このようなことを考えますと、「ワンオフで溶接の肉盛り&クラック対策」を溶接屋さんでやってみようかと言う考えになりました。
溶接補強を実施する
それでは実際に鋳物のロアアームを溶接補強してみます。
溶接作業は鋳物溶接を得意とする溶接屋さんで、鋳物専用の溶接棒を使い作業をおこないました。
*補強イメージはこんな感じです。
補強イメージ
それでは実際の作業を写真でご覧ください。
補強イメージ
段差は最終的に3~4回溶接を分割して肉盛りしています。
一度に集中的に溶接するのではなく、1回走ったら(溶接したら)15分以上間隔をあけて作業を行いました。一度の溶接ですべての個所を走るとアームに対する熱影響が大きいので、その点を考慮しました。
完成です
完成です
完成です
完成です
4年間使用した結果
テスト結果
さて、今回紹介したS2000の補強ロアアームを使用して5年経ちましたので、結果を報告しましょう。
使用した状況を簡単にまとめると、中古のロアアームに補強を施して、4年間、街乗りと鈴鹿サーキットを70枠走行しました。
その結果、、、、折れることなく現在も使用し続けており、問題ありませんでした。
販売のお知らせ
一定の結果が出たので、ロアアームの溶接補強を受け付けます。
溶接費用は¥40.000(アーム代別)です。
ご依頼はお問い合わせからご連絡ください。
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以上です。